ジュニアサッカー大学

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状況判断をよくする・ジュニアサッカー選択的注意(心理学)の活用

状況判断をよくする・ジュニアサッカー選択的注意(心理学)の活用

「顔を上げて周りを見よう」「もっと他に良い選択肢はなかった?」

ジュニアサッカーを指導していると「ボールを持った選手がなかなか効果的なところにパスを出せない」「いいところが見えていない」といったことが多々ありますよね。

ボールを持った時に上手くルックアップ(顔を上げる)できていなかったり、上げっているのだけど効果的なプレーにつながらない。

今回は心理学の「選択的注意」という概念からジュニアサッカーで役立つ「選択肢・状況判断・周りを見る」ということを解説します。

状況判断を的確にするには優先順位をつける


多くの方が「周りを見ること」の重要性は理解していると思いますが、その先にある「何を見るか」まで言及している書籍などはほとんど見当たりません。

なぜなら「何を見るかはチームによって異なる」なのが現状だからです。
それは選手のレベルやサッカーの原理原則、そしてチームのプレーモデルによるところが大きく、一概にこれが正解というものはありません。

よく語られるのは「敵・味方・スペースを見る」ということですが、実際に試合中はそれらはかなりの量がありますよね。

重要なのはチームによって異なるにせよ「見るべきものを限定すること」で選手のパフォーマンスは上がります。

つまり漠然と「周りを見よう」といった全体的なものでなく、「〇〇を一番に見よう」と選手に伝えることでプレーの優先順位が決まり「迷うことなくプレーを選べる」ようになります。

これは実際に私が経験したものですが「選択肢を多く与えすぎると迷ってプレー強度が下がる」ということ。

いくつかの選択肢が無意識のうちに実行できるレベルなら、そこに一つ二つ新たな選択肢を与えても良いのですが、いきなり複数の選択肢を与えると選手は混乱してしまいます。

プレー中に実際に顔を上げて周囲を見ると「必要な情報が得られなかったり、情報が多すぎて必要な情報がわかりにくい」ことがあります。

もし「選手がプレーの優先順位や見るべきポイントがわからない」場合は、心理学的の「選択的注意」といった考え方が有効になります。

✔︎選択肢が増えるプロセスは『ジュニアサッカー・状況判断を良くし選択肢を増やす方法』で詳しく解説しているのでそちらをご覧下さい。

選択的注意


「選択的注意」とは心理学の言葉ですが、サッカーにおいては以下のように定義できます。

『多くの情報がある中で、その選手によって必要な情報のみに注意を向けることで認識しやすくなる』

つまり「意識していること」や「必要としていること」「自分が見たいもの」に注意を向けることでその対象をよく認識できるというものです。

ザワザワとした場所でも自分の名前や興味があるワードが出ると自然と聞き取れたりする「カクテル・パーティー効果」や、自分が現在興味を持っているワードが書かれた広告がよく目につくといった「カラーバス効果」などが関連用語として挙げられます。

心理学的に考えても「サッカーにおいて見るべき対象を限定する」ことによって「状況判断」や「選択肢」に関するプレーの速度が上がったり、ベストな判断の精度が上がることは想像できるものではないでしょうか。

まとめ


今回は心理学における「選択的注意」という視点からサッカーにおける「状況判断・選択肢・周りを見る」ことについて解説しました。

「周りを見る」ことにもう一つ「〇〇を意識的に見る」というアドバイスを加えると、選手の状況判断がより的確になると思います。

そこから徐々に見るべき対象を増やして行くことで「様々な選択肢を持った選手」に近づけます。そのサポートするのがサッカーコーチの仕事ですので、ぜひ指導現場で試してみてください。

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